2015

09.

19

Sat

遺言を作成しない言い訳④

さて、「自分にはあまり財産がない。」という理由、というか言い訳で、遺言をしない方がいらっしゃいます。
  財産の多寡について人の評価は分かれますが、私の印象では、2,000万円前後の遺産があっても、「あまり財産がない。」と仰る方が多いです。しかし、紛争化して家庭裁判所に係属する相続争いの大半は、遺産が2,000万円以内のケースです。さらには、一般に、数百万円単位の経済的価値であれば大金といえ、それまで仲がよかった相続人同士が争ってしまうことは容易に想像できるところです。また、家が遺産となっている場合、家をブツ切りにして分けるわけにもいかないので、誰に相続させるか大変デリケートな問題となってきます。
  「自分にはあまり財産がない。」という理由で遺言書を作成しない場合、厳密にどのくらい遺産の値打ちがあるのか一度お考えいただき、数百万円単位の経済的利益が問題となるのであれば、遺言を遺すべきといえるでしょう。