たまにあることだと思います。

この点、こちらが何ら騙すことがなかったのであれば、詐欺行為がなく、詐欺罪は成立しないと思われるかもしれません。

結論から申し上げますと、多めのおつりをもらった時点でおつりが多いことに気付いたかどうかで、法的な結論が変わります。

まず、その場でおつりが多いことに気付いたのあれば、店員に対してそのことを正直に言わなければならない告知義務があります。それにもかかわらず知らん顔をして多めのおつりを受け取る行為は、黙示による詐欺行為があったとして、結局詐欺罪が成立します。

他方、後に気付いた場合は、既におつりを受け取った後ですので、詐欺行為によって受け取ったものではなく、犯罪は成立しません。そうはいっても、その場合でも正直に店員に伝えて返金すれば、きっと幸運が舞い込むはずですので、是非そうしましょう。

なお、おつりが少なかった場合、そのことに気付く時期がいつであれ、不足分のおつりの請求権があります。しかし、気付くのが余りに遅かったり、お店に言うのが余りに遅くなった場合、おつりが少なかったことの立証は極めて困難であり、お店としても検証が著しく困難となるでしょう。