2015

10.

14

Wed

「調停は意味があるのか」という意見

 調停は、簡単に言うと、いわゆる話合いです。そして、その話合いの結果、当事者が互いに譲歩するなどして解決の合意が形成される場合、調停成立と言って、一件落着となります。このような調停の話合いという性質を申し上げると、人によっては、「それでは調停手続外で当事者間で話し合うのと変わらないでないか。調停を行う意味がないではないか。」という意見を仰る方もいます。しかし、実は、調停には重要な意味があるのです。調停外での当事者間の話合いでは、互いに面と向かって好き放題に自分の意見に固執して話す以上、感情的な対立が激しくなり、なかなか合意が形成されません。しかし、調停は、裁判所において公平中立な調停員・裁判官が互いにの話を聞きつつ、法的観点から妥協に向けた助言を行うので、当事者の納得が得られやすく、また、かわりばんこで調停員・裁判官と話をするので、当事者同士で顔を付き合わせることもなく、感情的な対立になりにくいのです。統計上も、たとえば、遺産分割調停では、昨年、1万2,562件の調停事件中、過半数を超える7,512件が調停成立になっており、紛争解決にとって大変有効な手続といえます。そのため、調停手続は積極的に利用する方がよいと思います。