離婚をするために準備しておいた方がいいこと
当事者夫婦間で離婚等について協議がつかない場合、調停、訴訟等の裁判所を利用した手続によって離婚を実現していくことになります。
そして、当事者夫婦間で協議がつかず、いよいよ裁判所を利用すると決心したものの、一体何から手をつけなければいけないのか分からない方も多いでしょう。
そこで、今回は、離婚をするために準備しておいた方がいいことをご説明したいと思います。
・別居
相手方配偶者が離婚について同意してくれそうな場合は同居のままで構いませんが、離婚に同意してくれなさそうな場合は、別居をした方がいいでしょう。
相手方配偶者が離婚について同意をしてくれない場合、最終的には裁判所の判決によって強制的に離婚することを目指すこととなります。
その判決の際、裁判所は、別居しているかどうか、別居しているとして別居期間はどのくらいかを重要視します。
また、別居が一定期間に及べば、離婚に同意しなかった相手方配偶者もその状況に慣れていき、離婚を拒絶していた頑なな気持ちに変化が生じ、離婚に同意してくれることが期待できる、という副次的効果もあります。
・別居の際、子を連れる
夫婦間に未成年者の子がいる場合、離婚の際にどちらが親権者を決める必要があります。
これを決めなければ離婚ができません。
当事者間で決めることができなければ、離婚の可否と同様、裁判所が判決で決めることとなります。
その判決の際、現在どちらの親が未成年者の子を監護養育しているかが重要視されます。
ただし、子の意思に反しないようした方がいいですし、できる限り、相手方配偶者からは未成年者の子を連れて別居することを承諾してもらうようにしましょう。
・相手方配偶者の課税非課税証明書の取得
課税非課税証明書は、役所で取得でき、対象者の前年の収入が記載されています。
婚姻費用、養育費等の金額を定めるには、ご自分のみならず相手方配偶者の収入を正確に把握しなければなりません。
しかし、相手方配偶者がその収入状況を明らかにしない場合も多いでしょう。
そのようなときに備え、相手方配偶者の課税非課税証明書を取得しておくことが有益です。
なお、住民票上の住所が同じ夫婦であれば、相手方配偶者の課税非課税証明書を取得することができますので、別居する前に取得しておくとよいでしょう。
・相手方配偶者の財産の凡その把握
財産分与の際、相手方配偶者の財産が分からずに請求額を構成できない場合があります。
そのような場合、裁判所の調査嘱託や弁護士照会制度の活用によって正確な財産を調べることができますが、最低限の情報は必要です。
銀行預金口座であればどこ銀行のどこ支店か、株式であればどの証券会社を通じて保有しているか、保険であれば保険会社はどこか、などが最低限の情報です。
取引のある金融業者からは定期的に郵便が来るので、これを見逃さないようにしましょう。
夫婦とはいえ、相手方配偶者の郵便物を開封することはできませんが、封筒に記載されている金融業者の名称を見ることは問題ないと考えていいでしょう。
例えば、〇〇保険から郵便が来れば、〇〇保険の何らかの保険商品がある可能性が高く、裁判所の調査嘱託、弁護士照会制度の活用によって、その財産の有無、価値を正確に知ることができるのです。
・DVについて
DVが離婚の原因となっている場合、受けた傷は癒えるため、傷を写真に撮影し、医師の診断を受けておくといいでしょう。後日相手方配偶者がDVを否定する場合に備えて、DVの事実の証拠を作っておくためです。
もし何らかのトラブルでお悩みになっていらっしゃるようでしたら、弁護士がお力になれることがあるかもしれません。
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