刑事と民事の違いについて
ご存知ですか?
「民事」と「刑事」という言葉をたまに聞くことがあることと思いますが、法律に携わる方以外でその意味を正確に理解している方は少ないです。
解説
民事事件は、市民と市民の横の関係の話です。すなわち、市民と市民の間の売買契約上のトラブル、たとえば品物を渡したのにお金を払ってくれないとか、賃貸借契約上のトラブル、たとえば部屋を貸したのに賃料を払ってくれないといった問題です。このトラブルは、市民の上にいる国家は関係ないですし、犯罪となるかならないかとは無関係です。
他方、刑事事件は、国家と市民との縦の関係の話です。すなわち、ある市民が国家によって禁じられた犯罪行為を行った場合に、国家がその市民にどのような刑罰を与えるかを決める手続です。
おまけ
もっとも、1つの事例で民事事件・刑事事件双方が問題になる場合もあります。たとえば、無謀運転を行って人に怪我をさせてしまった場合、被害者の運転手に対する民事上の損害賠償請求と、運転手の刑事上の危険運転致傷罪の手続双方が問題となるのです。