2017

12.

03

Sun

少年審判の結論を出すにあたって、どんな事実が影響するか

ご存知ですか?

成人の場合の量刑は、犯行を行ったことについての懲罰的な色彩が濃いため、犯行行為についての態様、動機、結果が強い影響力を有します。
それでは少年事件の場合はどうでしょうか。このことを考えることは、皆さんの愛する少年が非行を行い少年審判を受ける場合、どんな事実を裁判所にアピールすれば軽い処遇となるかの道しるべとなります。

事例

とても多い傷害罪の場合で考えてみましょう。

解説

少年事件は、懲罰ではなく、少年が未だ若く将来更生する期待が成人の場合よりも多いことにかんがみ、その少年の更生を目指す手続です。そのため、少年が社会の中で立派に成長しもう非行を行わないと認められるかどうかが決定的に重要です。
この観点からは、まずは、環境調整が必要です。すなわち、就学先・就業先の確保、同居して少年を監督してくれる親族の存在、悪友の排除、規則正しい生活などが挙げられるでしょう。
また、何より、少年自身が反省しなければ、再び非行を行う可能性が高く、更生は遠くなってしまうでしょう。そのため、少年自身が反省していることが重要です。私はいつも関わった事件で少年に対して、「今回のことで誰が迷惑したと思う?」と尋ねます。まず全員が心配をかけた両親や雇い主と言います。間違いではないですが、まずは、傷害罪の被害者のことを考えるべきです。反省にもコツがあり、なぜ自分は傷害行為を行ってしまったのか、同じことを繰り返さないようにするにはどうすればいいのかを考え、被害者の立場と被った被害を具体的に検討することが需要です。非行行為から審判までは短時間ですが、その中で、少年が自分の頭で考え、説明することができれば、必然的に十分に反省したと評価されるでしょう。親族の方は、面会を重ね、少年とこのようなことをお話すると効果が期待できます。