2015

10.

18

Sun

「契約書がないから契約は無効だ」という都市伝説について

 「契約書がないから(または作成していないから)、契約は無効なはずだ。」という趣旨の相談を受けることがあります。今回は、上記のような意見が果たして法的に正しいものなのかどうか、述べたいと思います。結論から言ってしまいますが、上記の主張は、法的には誤りであり、契約書がなくとも契約は成立し、効力を有します。詳しく言いますと、日本の契約のほとんどは、諾成契約といって、当事者の意思の合致、すなわち合意のみで有効に契約を締結することができるのです。たとえば、コンビニでホットドッグを買うことも売買という立派な契約ですが、いちいち売買契約書など作成しません。そのため、上記のような意見は、誤りということになるのです。もっとも、契約の中には、他人の債務を保証する場合など、契約書等の書面を作成しないと成立しない契約類型があるので注意が必要です。